宝塚ブログ・お茶の間タカラヅカ

ときめきがいっぱいの宝塚は人生の潤いです

人柄がにじみ出ている『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』

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先日梅田芸術劇場にて花組『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』観劇することができました!無事に初日が明けて良かったです。

今回の作品は“ロマンティック・コメディ”と銘打たれているブロードウェイ・ミュージカル。大人なコメディでも宝塚歌劇バージョンだとこのようになるのですね!そしてタイトルにも書きましたが、どのようなキャラクターであっても演じる皆様の人柄がにじみ出まくっていた作品でした!

 

オーバーチュアが流れるのと同時に舞台に設置された丸い鍵盤が弾かれるように光り、柚香光さんの開演アナウンスが明るく楽しそうに始まります。これだけでわくわくとした楽しみが倍増しました。柚香さんはどの方よりも開演アナウンスに感情を深く込められるので私は大好きです。

幕が上がると音くり寿さん達スピークイージーショーガールの面々が歌い踊るのですが、そちらに気を取られて柚香さんがいらっしゃるのに気付きませんでした。二幕でも、舞台にいらっしゃるのが見えてるのにモブに溶けていらっしゃり、オーラ消すのお上手ですか!と思わずにいられませんでした。

 

リッチでおっとり型のプレイボーイ、ジミー・ウィンターの柚香光さん

来るもの拒まずの女好きでとんでもないロクデナシなはずなのに、柚香さんが演じられると・・・本当に憎めない。何でも手に入るお坊ちゃんだからこそ執着心の無さ、周りにあるものは(金銭的にも)全て自由にできると信じているので言動に“もったいない”感が全くない。なのに嫌味じゃ無い。何故だろう・・・柚香さん。あ、こーゆーお金持ちの方は一度着たものは二度と着ないですよ。どんなお高いものでも他人が欲しがればポンポンあげてしまうタイプでしょう。

やり方を間違えると嫌味で鼻持ちならないブルジョアの軽薄なお坊ちゃんになるところを、柚香さんは上手に表現されていらっしゃいました。苦労を知らないからこその明るさを自然に、ソフトな人当たりで上品さを、なにより持ち前のハンサム&スタイルの良さで文句の無いお坊ちゃんぶりです。なのでアイリーン(永久輝せあさん)にじらされたりする流れも下品になりすぎず、柚香さんの憎めないかわいらしさが前面に出ていらっしゃった気がします。

そして支配階級のはずなのに、ビリー(華優希さん)やクッキー(瀬戸かずやさん)に対しては、柚香さんの人柄が出まくったとても優しい話かた。もう隠しようも無い、ダダ漏れ状態ですよ。優しい。とにかく優しい。言動には問題アリなろくでもないジミーなのに、超が10個くらいつくほど(特に女性に)優しかったですよ。これでは女性が狙うのも当然、鴨ネギです。ビリーもこんな男に惚れちゃダメだと頭が言ってても心が止められませんよね。ずるい男です。

東京の初日映像に映っていた「離婚届にサインしない」に移行する服装の乱れがかなり激しくなってました。千秋楽ではどのようになるのでしょうか。

歌もダンスも格段に素晴らしく、特にタップが見応えあり。ビリーとのタップは心から笑顔が出ていて拝見しているコチラまで顔がニコニコしちゃいます。とにかく歌って踊るシーンの柚香さんはとことん嬉しそうで楽しそうでした。

 

ボーイッシュな風体で酒の密輸人、ビリー・ベンディックスの華優希さん

まず、可愛い。ヒロインなのにダボダボパンツで男の子のなりをしていても、言葉遣いが荒っぽくても、小さくて愛らしい。言動のいちいちが可愛い。これは私がはなちゃんが好きだからどうしても“可愛いフィルター”がかかっているので仕方ないのです。

宝塚版では年齢設定をお幾つにされていらっしゃったんでしょう。はなちゃん自身がお小さいのでかなり少年=少女に見えてしまいますが(多分妙齢である事は間違いないとは思うのですが)一応ギャング団(3人組の・・・)の名の知れたリーダー。手際よくお酒の商売をしたり、せっせと働く姿、板についた労働者階級ぶりです。

その姿から、ポスターになっているお衣装姿でジミー(柚香さん)を“色仕掛け”で誘惑するための変貌ぶりがすごかった。この場面はお二方ともどうなるのかとドキドキしましたが程よい案配で下品にならず、柚香さんとはなちゃんだからこその掛け合いでした。くまちゃんがいて良かった。

メイド服姿も可愛かった。その姿で昼食会で披露した“嫌がらせ”の歌とスープの配膳が、あまりにも思いっきりが良くて。あわあわするジミーがお気の毒に思えてしまったほどです。(柚香さんの情けない表情がこれまたツボ)

恋なんてくだらないと言っていたビリーが恋を知り、そして愛になって、傷つく前に終わらせようとする感情の移り変わりも、はなちゃんらしく情感を込めて歌とお芝居で伝えてくださいました。今回お歌がたくさんあって嬉しかったです。歌い方も声の出し方も、そしてダンスも、常にされてこられた努力が形に表れた素晴らしい出来だったと思います。

柚香さんとのデュエットダンスも本当にお似合いでした!いいなぁ・・・やっぱり柚香さんとはなちゃんのコンビはいいなぁ・・・。とか思いながら観ていたので、お二人が幸せそうにしている場面では(フィナーレ含む)涙で目が曇りました。コメディだというのに泣くのか自分。今からコレです。

 

頼られたら嫌とは言えない執事ビスケット、クッキー・マクジーの瀬戸かずやさん

瀬戸さんの新境地。私は今まで観たことがなかった瀬戸さんでした。姿勢も悪くて口達者。調子も要領も良さそう。でも垣間見える男らしさや世話をやく優しさもあり、何より瀬戸さんご自身の素のかっこよさが隠しきれていません。

二幕のジミーのベッドルームで、ジミーとビリーの邪魔にならないように背を向けているシーンがあるのですが、その背中が素晴らしいのでぜひ観ていただきたい。それまでのキャラとは別人のように大人の男性の背中です。ジミーからの信頼も厚く、ギャング団の仲間として頼りになるアニキ、というのがこれだけでわかるほど。大人!かっこいい!!そしてやっぱり優しい。ビリーとクッキーとデューク(飛龍つかささん)がどのように出会って仲間になったのかがとても知りたくなる、そんなクッキーでした。

昼食会で、クッキーが走りながらパンや野菜を並べて(?)回収する場面は面白かったです。あ、別の場面ですが、オムレツを作って持って来られた時、瀬戸さんのオムライスが脳裏を過ぎったのはきっと私だけではないですよね~。

 

長くなりましたのでとりあえず今回はこのあたりで。


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